VIPPRE ξ゚⊿゚)ξツンと星空と海風のようです その4
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ξ゚⊿゚)ξツンと星空と海風のようです その4

ξ゚⊿゚)ξツンと星空と海風のようです

262 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:40:05.94 ID:GMYVJWfZ0
―6月16日(金曜日)―

―時刻・PM0:03―

その日、三年生の進路説明会だった為、一・二年は3限で授業が終了した。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、これからちょっと付き合って」

HRが終了するやいなやツンはブーンに声を掛ける。

(;^ω^)「お? 何の用だお? 」

ξ゚⊿゚)ξ「いいから。……しぃ、ちょっと彼氏借りるわよ」

(*゚ー゚)「えっ? 」

そういってツンは、しぃの返事も待たずにブーンを引きずって教室を後にした。

(*゚ー゚)「……」

('A`)「心配か? 」

黙って見送るしぃにドクオが声を掛ける。

(;゚ー゚)「別にそんな事は無いけど……」

('A`)「……顔に出てる」

(;゚ー゚)「ドックンて鋭いねー。感心しちゃうよ」


ξ゚⊿゚)ξツンと星空と海風のようです


264 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:42:15.19 ID:GMYVJWfZ0
そういってしぃはため息を付く。

('A`)「そうでもねーよ、俺の身近にもっと鋭いヤツがいる」

ドクオは愚痴をこぼしながら、肩をすくめる。

(;゚ー゚)「……ちょっと、心配かな」

('A`)「まぁ、気持ちはわからんでも無いが……。正直、俺も結構心配だ」

ドクオはそういって席から立ち上がる。

('A`)「……でも、俺帰るぜ」

(;゚ー゚)「えっ? 二人を待たないの」

('A`)「この後、ブーンの顔見たときに理性がぶっ飛ぶのが目に見えてるからな」

(;゚ー゚)「それってどういう事? 」

しぃの問いかけにドクオは、少しだけ考えて答える。

('A`)「……わりぃ、今俺の口からは言えないな。ブーンが戻ってきたら少しは意味が分かるよ」

そういってドクオは手をヒラヒラとさせて教室を後にした。

(;゚ー゚)「……はぁ、何か3人の間に入っていけないなー」

しぃはそう呟くと席に座ってブーンの帰りを待つことにした。


266 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:44:05.68 ID:GMYVJWfZ0
( ^ω^)「こんな所に来て、どうするつもりだお? 」

ブーンが屋上の手すりに手を掛け、空を見上げる。

幸い朝から降っていた雨は上がっていたが、空は暗い雲に覆われ今にも降り出しそうだった。

ξ゚⊿゚)ξ「……ねぇ、ブーン」

それまで、空を眺めるブーンの背中を見ていたツンが声を掛ける。

( ^ω^)「なんだお? 」

ツンの声にブーンは振り返ってツンと目を合わせる。

ξ゚⊿゚)ξ「……しぃのどこが好きなの? 」

ツンもブーンから目を逸らさず、真っ直ぐにブーンを見つめたまま問いかける。

( ^ω^)「わからないお。ただ……」

ξ゚⊿゚)ξ「……ただ。何? 」

( ^ω^)「しぃの笑顔を見ると、幸せになれるんだお」

ξ゚ー゚)ξ「そっか」

ブーンの答えに納得したのかツンは笑顔で答える。

( ^ω^)「……それが聞きたくて、ここに連れて来たのかお? 」


269 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:45:42.08 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚ー゚)ξ「ん? 違うわよ。ここからが本題」

( ^ω^)「……お? 」

ツンは一回深呼吸をすると、一番の笑顔を浮かべて口を開く。







ξ^ー^)ξ「あのね、ブーン。私ね、ずっと前から、……ブーンが好きだったよ! 」





( ^ω^)「……」

ξ^ー^)ξ「もう、いつから好きだったのか分からないくらい、ずっと、……っ。ずっと、ま、前か、ら……」

ツンの声は徐々に小さくなり、嗚咽が交じる。

ξ;ー;)ξ「ずっと前から好きだったの……」

涙を流しながら、それでも笑顔で最後まで言い切ったツンはそのままブーンに抱きつく。


271 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:47:00.97 ID:GMYVJWfZ0
( ^ω^)「……ツン」

ブーンは抱きついてきたツンの背中にそっと腕を回す。

ξ;ー;)ξ「ゴメン。ホントはこんな形じゃなくて、ちゃんと言いたかった」

( ^ω^)「……」

ξ;ー;)ξ「今更、こんな事言っても迷惑だって分かってる。でも……」

それまでブーンの胸に顔を埋めていたツンが顔を上げる。

ξつー;)ξ「伝えられて、よかった」

そういってツンは涙を拭いながらそっとブーンから離れる。

ξ゚⊿゚)ξ「さ、私の話はおしまい。ゴメンね、こんな所につき合わせて」

( ^ω^)「……ツン、ゴメンお。僕は……」

ξ゚⊿゚)ξ「ストップ! 」

ブーンの言葉を遮るようにツンが大声を上げる。

ξ゚⊿゚)ξ「これ以上、優しくしないで。……相手が違うでしょ?」

(;^ω^)「で、でも僕は……」

ξ゚⊿゚)ξ「お願い。このまま、しぃの所に行って。そうじゃないと、私、……また泣いちゃうから」


274 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:49:04.53 ID:GMYVJWfZ0
(;^ω^)「……わかったお。ツン、ホントにゴメンお! 」

その一言を残してブーンは屋上を後にした。

ξ゚⊿゚)ξ「……バイバイ。ブーン」

そういって、ツンは空を見上げる。
空を覆う暗い雲は先ほどより、更に暗くなっていた。





ξ ⊿ )ξ「……雨が降りそうね」

その言葉が引き金になったように、ポツリ、ポツリと雨が降り出してツンの顔を濡らす。





ξ;⊿;)ξ「あーあ、振ってきちゃった……」





ツンの顔を濡らす水滴が雨なのか涙なのか、それはツンにも分からなかった。


277 :◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:52:35.98 ID:GMYVJWfZ0
( ´ω`)「……」

屋上から戻ってきたブーンは、おぼつかない足取りで教室に辿り着く。

教室の扉を開けると、そこにはしぃが待っていた。

(*゚ー゚)「……ブーン。お帰り」

( ^ω^)「お待たせだお」

ブーンはできるだけ普通の態度でしぃに答える。

(*゚ー゚)「……ツンちゃんは? 」

( ^ω^)「ちょっと担任に呼ばれてるから、先に帰ってていいって言ってたお」

しぃには心配をかけたくない想いからブーンは嘘を付いた。

(* - )「……」

( ^ω^)「……どうしたんだお? 」

なにも答えないずただ俯くしぃにブーンが聞き返す。

(* - )「……っき」

しぃが聞き取れない程小さな声で呟く。

( ^ω^)「お?なんだお? よく聞きとれn……」


278 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:54:02.85 ID:GMYVJWfZ0
(* - )「嘘つき!!! 」

ブーンが聞き返すとその言葉を遮るように、しぃが激昂した。

(* - )「……なんで、嘘付くの? ホントの事、言ってよ!! 」

(;^ω^)「しぃ? 」

(* - )「ツンちゃんも! ドックンも! ブーンも!!
     なんで、私に気を使って嘘つくの? なんで、何も言ってくれないの? 」

(;^ω^)「……」

(*; -;)「みんなと居るのに、なんだか孤独だよ……」

しぃの涙にブーンは何も言えなかった。

二人きりの教室に、雨の音だけが響き渡る。

ブーンは無言に耐え切れず必死で言葉を探す。

(;^ω^)(何か言わなきゃいかんお。でも、何を言っていいかわからんお)

結局、何も言えずに黙るしかなかった。

(;^ω^)(ここは、正直にさっきの事を話すべきなのかお? )


280 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:56:06.60 ID:GMYVJWfZ0



『ツンに告白された』



それを言えば、全ては解決するような気がした。
しぃが求めているなら全てを話せばいい。

それでも、ブーンの口は動かなかった。

普段から「お人好し」といわれるほどに人に気を使う子だ。

それが、人一倍優しくて気配りが出来るしぃの美点なのは、ブーンにだってよく分かってる。

だからこそ、言えなかった。




『言えばしぃは自ら身を引いてしまうに決まってる』




そんな想いがブーンの口を閉ざさせた。

283 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 09:58:01.93 ID:GMYVJWfZ0
そして、その沈黙を破ったのはしぃだった。

(*; -;)「ブーンは優しいね。優しすぎるよ」

(;^ω^)「……え? なんでだお? 」

(*; -;)「ここまで言っても、まだ私に気を使うんだね」

(;^ω^)「……」

(*゚ -゚)「でも、方向が違う。……ホントに私の事想ってるなら全部話して」

しぃが真剣な表情で真っ直ぐにブーンを見つめる。

(;^ω^)「……わかったお。その代わり、ちょっと場所を変えるお」

(*゚ -゚)「……わかった」

このままここに居ては、いずれツンが戻ってきてしまう。そうなれば全てを話すのは不可能だ。
そう思ったブーンは一つの提案をし、しぃはそれを受け入れた。

(;^ω^)「……じゃ、じゃあ駅前のマックにでも……」

しぃはその提案は拒否した。

(*゚ -゚)「そんな人の目に付くような場所は嫌。ゆっくり話せないもの」

(;^ω^)「じゃ、じゃあどこならいいんだお?」


284 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:00:06.80 ID:GMYVJWfZ0
(* - )「ブーンの家って今誰か居る? 」

(;^ω^)「うちは共働きだから今の時間なら居ないお」

(* - )「ならブーンの家で」

その瞬間ブーンは固まった。

Σ(;゚ω゚)「……!! 」

(* - )「嫌? 」

(;゚ω゚)(どどどどど、どうすればいいお? )

しぃの言葉にブーンは戸惑う。

(;゚ω゚)(家族が居ない男の部屋に来るって意味分かってるのかお)

不謹慎にもブーンに邪な考えが浮かぶ。


287 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:02:16.78 ID:GMYVJWfZ0
(;゚ω゚)(でも、そうしなきゃ話も出来ないお)



(;゚ω゚)(大丈夫、僕は話をするだけだお! 冷静になるお! )



(;゚ω゚)(このまま話さなかったら、しぃは孤独なままだお! )



そう自分に言い聞かせ……いや、言い訳して決意を固める。



(;^ω^)「わかったお」

(* - )「ごめんね。わがまま言って」

(;^ω^)「そんなの、気にするようなことじゃないお」

(* - )「ブーン、ありがとう」

こうして、二人は教室を後にした。


290 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:04:06.88 ID:GMYVJWfZ0
(;^ω^)「少し散らかってるけど、適当に座ったらいいお」

そういってブーンはしぃにソファーに座るよう促すと
冷蔵庫から紅茶を取り出し、自分用にはコーラを取り出してテーブルに置く。

(*゚ー゚)「ん。ありがとう」

しぃは薦められたようにソファーにちょこんと座る。

(;^ω^)(さて、どうやって切り出したらいいものかお? )

ネクタイを緩め、そんな事を考えながらベッドに腰掛ける。

(;^ω^)「まぁ、何にも無い部屋だけど紅茶でも飲むといいお」

とりあえず飲み物を薦め、ブーンもコーラを開けると口を付ける。

プシュというコーラを開ける音だけが部屋に響いた。

(*゚ー゚)「……ねぇ、ブーン。ツンちゃんは何の用事だったの? 」

ブーンが話を切り出す前にしぃのほうから話を振ってきた。

(;^ω^)「うーん、なんていったら良いかお? 」

ブーンは手に持ったコーラをテーブルに置くと、少し考え込む。

(*゚ー゚)「ありのままに話して。ごまかしたり、嘘付いたりしないで」

291 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:05:38.90 ID:GMYVJWfZ0
どこから話そうか悩むブーンを真っ直ぐに見つめ、真剣な表情で言ったしぃの目には
どこか覚悟を決めたような意志が込められていた。

(;^ω^)「わかったお。結論からいうお」

しぃの言葉にブーンも真剣な表情でしぃを見つめ返し、一息つく。

( ^ω^)「……ツンに告白されたお」

(*゚ -゚)「……やっぱり」

ブーンの言葉にしぃはどこか納得したように答える。

(*゚ -゚)「やっぱり、ツンちゃんもブーンの事が好きだったんだね」

( ^ω^)「……しぃは気付いてたのかお? 」

(*゚ー゚)「何となくね」

しぃは少しだけ寂しそうに答える。

( ^ω^)「……僕は、ぜんぜん気が付かなかったお。正直、これからツンにどう接したらいいか分からんくらいだお」

(*゚ー゚)「……じゃあ、私と別れてツンちゃんと付き合う? 」

( ^ω^)「それは無いお! ツンの気持ちは嬉しいけど、僕はしぃが好きだお! 」

(*゚ー゚)「ありがとう。その言葉が一番嬉しい」

そういってしぃ笑顔を浮かべる。


293 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:07:28.70 ID:GMYVJWfZ0
(*゚ー゚)「あのね、ブーン。ブーンは何も悪くない。悪いのは私」

( ^ω^)「そ、そんなこと無いお! 」

しぃの言葉をブーンは否定するが、しぃは首を横に振る。

(* - )「私が悪いの。ツンちゃんの気持ちに気付いてたのに、何も言わなかった。
     ブーンに好きって言われて、ブーンの彼女になれて凄く嬉しくて。私、浮かれてたんだよ。
     ……それでも、ツンちゃんは何も言わないで友達でいてくれた」

しぃの声が少しづつ小さくなっていく。

(*; -;)「そんな、ツンちゃんの気持ちを裏切った私が悪いの」

( ^ω^)「しぃ、泣かないでお」

ブーンはいつの間にか涙を流していたしぃの隣に座り、そっと抱き寄せる。

( ^ω^)「……しぃは悪く無いお。僕が無神経で鈍感で馬鹿だから悪いんだお。
      そのせいで、ツンもしぃも悲しませてしまったお。すべて、僕が悪いんだお」

(*; -;)「そ、そんなこt……むぐぅ」


295 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:09:18.18 ID:GMYVJWfZ0
しぃの言葉を遮って、ブーンがキスをする。



……長い口付けの後、ブーンが口を開く。

( ^ω^)「しぃ、落ち着いて聞いてくれお。しぃは何も悪くないお。全て僕のせいだお。
      ……だから、これからはしぃを絶対に傷つけない事を誓うお。
      そして、ツンを傷つけた責任はきちんと果たすお」

しぃの目を真っ直ぐに見据えて、ブーンは言葉を続ける。

( ^ω^)「ホントは二人とも傷つけないのが一番なんだと思うお。……でも、すでに傷つけた以上そんな事は出来ないお。
      だから二人のうちどちらかを選ぶなら、しぃを傷つけないことを選ぶお。その上で、ツンを傷つけた責任を取るお」

(*; -;)「……責任って?」

( ^ω^)「……まぁ、顔の形が変わるまで殴られる事にするお」

ブーンは、それまでとはうって変わって、ふざけた口調になる。

(*;ー;)「……ブーン」

( ^ω^)「……その笑顔だお」

(*つー;)「え? 」

(*^ω^)「しぃのその笑顔が僕は大好きなんだお」

照れながら頬をポリポリと掻くブーンに、しぃはギュッと抱きつく。

296 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:11:20.97 ID:GMYVJWfZ0
(*゚ー゚)「ありがとう。ブーンはやっぱり優しいね」

(*^ω^)「そんな事無いお」

(*゚ー゚)「んーん、優しいよぉ。だから、大好き」

それまで、ブーンの胸に顔を埋めていたしぃは顔を上げ、ブーンを上目遣いで見上げる。

(*゚ー゚)「……ブーン、もう一度キスして」

そして、そっと目を閉じる。

( ^ω^)「……しぃ」

それに応えるようにブーンも目を閉じ、しぃと口付けを交わす。







ブーンは二人の心が重なった初めてのキスを思い出していた。


300 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:14:33.51 ID:GMYVJWfZ0
( ^ω^)「本当に家まで送らなくていいのかお? 」

(*゚ー゚)「うん。大丈夫」

ブーンの問いかけに、しぃは靴を履きながら答える。

(*゚ー゚)「ブーン、ありがとう」

( ^ω^)「それは、僕のセリフだお」

(*^ー^)「じゃあ、お互い様だね」

しぃはニッコリ笑って答える。

(*゚ー゚)「それじゃ、私帰るね。また、月曜日に」

( ^ω^)「お。気をつけて帰るんだお」

(*゚ー゚)「うん。……あ、そうだ」

返事をした後でしぃは何かを思い出したように手招きをする。

( ^ω^)「お? 」

それにあわせてブーンはしぃに近づく。


302 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:16:07.63 ID:GMYVJWfZ0
(*゚ー゚)「んー。もうちょっと、頭を下向けて」

( ^ω^)「お? いいお」

しぃの目の前に立つブーンはしぃの言う通りに首を曲げ下を向く。

(*゚ー゚)「ん。そのくらい」

そう言ってしぃは爪先立ちになると、ブーンの首に手を回し、小鳥が啄ばむ様に短いキスをした。

(*^ω^)「……」

(*^ー^)「……えへへ。初めて、私からキスしちゃった」

照れながらしぃは一歩下がると満足そうな笑みを浮かべる。

(*゚ー゚)「ブーン、大好きだよ。じゃあね♪ 」

そういって、しぃは玄関を出て行った。



(;^ω^)「ふぅ、自制心は何とか最後までもってくれたお」

誰も居なくなった玄関でブーンは一人ほっとしたような、それでいて少し残念なような表情で呟いた。

(;^ω^)「でも、どうしたらいいんだお」

しぃを元気付けたとはいえ、ツンの事を考えるとブーンは手放しに喜べずにいた。

304 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:18:00.53 ID:GMYVJWfZ0
―時刻・PM4:49―

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ツンはトボトボといった擬音が合いそうな歩調で帰路に付いていた。

こんな時間まで何をしていたかといえば、正直なところ何もしていない。

屋上でブーンを見送った後、雨を避けるように校舎内に入ったものの
おそらくブーンとしぃが居るであろう教室に戻る気も起きず、図書室にいた。

いくら振られるのが分かっていた告白とはいえ、その直後に当事者に会えるほどツンは強くなかった。




『ブーンたちが居なくなったら帰ろう』




そう考えたツンは、校門の様子が確認できる図書室の窓際の席で、ぼんやりと校門の様子を眺めていた。

しばらく窓から校門を眺めていたツンは、意外にも早く校門を出て行く二人の姿を確認した。

それを見てさっさと帰ってしまおうと思ったツンだったが、結局動く気になれずこんな時間の帰宅となった。


306 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:20:08.79 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚⊿゚)ξ「……はぁ」

力無くため息をつく。

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱり、つらいなー」

誰に言うでもなく、独り言を漏らす。
言ったところで何も変わりはしないが、言わなければまた泣いてしまいそうだった。




『振られる覚悟をしてたんだ』





『伝えられないよりマシだ』





ツンはそんな言葉を思い浮かべながら、じっと耐える。



今度、泣いてしまえば涙を止められない気がしていた。


310 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:25:26.08 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚⊿゚)ξ「……また、あそこに連れて行ってもらおうかしら」

そんなツンが思い浮かべたのはドクオに教えてもらった美府岬。
あそこに行けば、なんとなく全てを忘れられそうな気がした。

ξ゚⊿゚)ξ「……ダメ。そんなに、毎回毎回ドクオに頼っちゃ」

ドクオなら言えば来てくれる。

それでも今度は頼りたくなかった。

今度、頼ったりしたら……





『二度と、自分の力で立ち上がれなくなる』





そんな想いがツンの心を支えていた。

ξ゚⊿゚)ξ(ドクオのお陰で後悔しなくて済んだんだもの。立ち上がるときは一人で立たなきゃ)

そう決意したツンが視線を上げると、自宅前に見慣れた傘をさしている人物が居た。

313 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:26:48.08 ID:GMYVJWfZ0
(*゚ー゚)「あっ! ツンちゃんお帰り」

ξ;゚⊿゚)ξ「しぃ、何してんの? こんな所で」

(*゚ー゚)「何って、ツンちゃんを待ってたんだよ? 」

しぃはカタカタ震えながらもツンの言葉に笑顔で答える。

ξ;゚⊿゚)ξ「待ってたって、アンタ何時からいるのよ? 」

(*゚ー゚)「んーっと。2時過ぎかな? インターホン押しても反応無いし、
     なかなか帰って来ないし、心配したよ? 」

ξ;゚⊿゚)ξ「2時ってアンタこの雨の中、3時間も待ってたの? 用があるなら電話くらいしなさいよ! 」

しぃの答えにツンは声を荒げる。

(*゚ー゚)「で、でも、直接話したくて。それに、すぐ帰ってくるかなって思ったから」

ξ;゚⊿゚)ξ「それなら、電話でそう言えばいいでしょ?!
       『話したい事があるから、帰ってこい』って言えばすぐ帰ってくるわよ! 」

(*゚ー゚)「あー、そっか。……でもそんな事、怖くて言えないよ」

ξ;゚⊿゚)ξ「怖いって、なんでよ? 私そんな事で怒ったりしないわよ」


315 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:28:22.73 ID:GMYVJWfZ0
ツンの言葉にしぃはゆっくり首を横に振る。

(*゚ー゚)「そうじゃないよ。……ツンちゃんに嫌われちゃってて、
     電話に出てくれなかったらどうしようって思ったら、怖くて電話できなかったの」

ξ;゚⊿゚)ξ「……」

しぃは笑顔と泣き顔が、一緒になったような顔でツンを見つめる。

傘を差しているとはいえ、雨が降り風も吹いてるこの天気の中で、3時間も立っていれば当然濡れもする。

案の定、サラサラの髪の毛は雨にぬれ、額に張り付いているし、
先日衣替えした夏服のブラウスは、雨を含んで肌に張り付いている。

肩を見れば、カタカタと小刻みに震えているし、心なしか唇も青くなっている様に見える。

ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず、家に入りましょ。シャワー貸すから」

(;゚ー゚)「えっ、悪いよ」

ξ゚⊿゚)ξ「いいから! 話はその後でゆっくり聞くから」

(;゚ー゚)「えっ、ちょ、ツンちゃん、待ってよ! 」

そういって、ツンはいつものようにしぃの手を掴むと、引きずるように家に入っていく。


319 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:30:05.59 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚⊿゚)ξ「はい、タオル。今お風呂にお湯張ってるからちょっと待ってね」

(;゚ー゚)「う、うん」

テキパキと動き回るツンの様子に戸惑いながら、しぃは受け取ったタオルで髪を拭く。

(;゚ー゚)「それで、話っていうのは……」

あらかた濡れた髪を拭き終わったしぃは、
部屋着に着替えてリビングに戻ってきたツンに話を切り出す。

しかし、ツンは手に持った衣服をしぃに渡しながらそれを遮る。

ξ゚⊿゚)ξ「話は後って言ったでしょ? とりあえず制服洗濯するから、これに着替えて」

(;゚ー゚)「え? い、いいよ。悪いし」

ξ゚⊿゚)ξ「いいから。私の分洗濯するついでにやっちゃうから、早く脱いで」

(;////)「で、でも……」


322 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:32:48.02 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚ー゚)ξ「女の子同士で恥ずかしがる事も無いじゃない」

「脱いで」という単語に反応して赤くなるしぃを、ツンはニヤニヤしながら見つめ話を続ける。

ξ゚ー゚)ξ「早くしないと、私が脱がしちゃうわよ~」

ツンはワザと指先をいやらしくクニクニさせながらしぃに近づくと、しぃの制服に手をかける。

(;////)「ちょ、ツンちゃん! 止めてよ~」

ξ゚ー゚)ξ「抵抗しないの! 嫌なら自分で脱ぎなさい」

必死で抵抗するしぃの手をかいくぐって、ツンの手がしぃの体に伸びる。

(;////)「ツンちゃん! どこ触ってるの! 」

ξ*゚ー゚)ξ「えー? おっぱい」

(;////)「女の子がそんな事、はっきり言わないの! なんでそんなとこ触ってるのよ! 」

ξ*゚ー゚)ξ「だって、ボタン外さなきゃ……しぃって、意外とおっぱい大きいね~」

(;////)「ツンちゃんのH! もう、自分で脱ぐから、離してよ~! 」

ツンの手を何とか振りほどき、しぃはツンから離れる。

323 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:33:48.73 ID:GMYVJWfZ0
ξ*゚ー゚)ξ「ちぇー。別に私が脱がしてあげてもいいのに~」

(;////)「ツンちゃんにそんな趣味があったなんて、知らなかったよ」

ξ゚⊿゚)ξ「あら? そんな趣味無いわよ。……ただ」

(;////)「ただ、なによ? 」

ξ*゚ー゚)ξ「しぃならいいかなーって気になっただけ」

そういってツンは、またしぃに近づこうとする。

(;////)「私はよくない!! 」


327 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:35:15.75 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚ー゚)ξ「ジョーダンよ。……そろそろお風呂にお湯溜まる頃だから
      入っておいで。風邪引いちゃうよ? 」

(;゚ー゚)「え? 」

ξ゚⊿゚)ξ「ほら早く。次に私も入るんだから。それとも、一緒に入る? 」

(;////)「……」

今度は「一緒に入る? 」という言葉にしぃは赤くなる。

ξ゚⊿゚)ξ「だから、冗談だって。制服は、脱衣所に置いておいて、洗濯しとくから」

(;////)「……うん。分かった」

しぃはそう返事をすると渡された着替えを抱いて浴室に向かった。

ξ゚⊿゚)ξ「さってと。お湯沸かさなきゃね」

しぃが浴室に向かったのを確認しヤカンをコンロにのせ火をつける。
しばらくして、浴室からシャワーの水音が聞こえてくる。

ξ゚⊿゚)ξ「しぃは入ったみたいね。じゃあ次は、制服を洗濯してっと」

そんな事を呟きながら、脱衣所に向かうと、洗濯籠に入ってるしぃの制服と自分の制服を
洗濯機に放り込み洗剤を入れるとスイッチを押す。

ξ゚⊿゚)ξ「これでよしっと」

328 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:36:39.01 ID:GMYVJWfZ0
その後、ツンが紅茶を淹れて部屋に運ぼうとしたところでしぃが出てきた。

(*゚ー゚)「ツンちゃん、お風呂あがったよ? 」

ξ゚⊿゚)ξ「あら? 早かったわね」

(*゚ー゚)「早くしないと、ツンちゃんが風邪引いちゃうと思って……」

ξ゚⊿゚)ξ「そんなの気にしなくていいのに。……ちゃんと温まったの? 」

(*゚ー゚)「うん」

そう返事をするしぃは頬を上気させ、先ほどまで青ざめていた唇には赤味が差している。

確かにちゃんと温まってきたようだ。

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、今、紅茶淹れるから、私の部屋で待ってて」

(*゚ー゚)「うん。……ちゃんとツンちゃんも温まってきてね」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、分かってるわよ」

そういって、ツンは自室にしぃを案内すると、紅茶を用意して浴室に向かった。


331 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:38:21.00 ID:GMYVJWfZ0
ξ-⊿-)ξ「ふー」

ツンは湯船に浸かると、大きく息を吐く。

ξ-⊿-)ξ(どんな気分の時でもこの瞬間だけはホッとするのは、やっぱり日本人なんだなー)

ツンはそんな事を思いながら、閉じた眼をゆっくり開く。

ξ゚⊿゚)ξ「やっぱり、しぃ。ブーンから今日の事、聞いてるよね」

この雨の中、三時間も待ってまで直接話したい事。
ブーンの事以外にあるはずも無い。
ツンはゆっくりともう一度目を閉じると小さくため息を付く。

ξ-⊿-)ξ(出来れば今日はそんな事は、話したくなかったな)

ツンの脳裏にそんな思考がちらつく。

ξ-⊿-)ξ(さっきは、勢いと空元気でどうにかなったけど……)


『この後、部屋に戻ってしぃと話したとき、いつもの態度でいられるだろうか? 』


そう考えたら自然とため息が漏れた。

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ、まいったなー」

思わず言葉が漏れ、ツンはちょっとだけしぃに聞こえたのではないかとヒヤッとした。

332 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:40:06.84 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚⊿゚)ξ(かといって、追い返すわけにもいかないし)

それが出来るなら、家の前で会った時に追い返しているに決まってる。

家の前で、雨に濡れても震えながら待っていたしぃ。

ツンの顔を見た瞬間、少しだけ明るくなったしぃの表情は、
ツンの事を心配していたという言葉が、真実だった事を証明するには十分だった。

それが分かっているからこそ、ツンはしぃを追い返すことなんか出来なかった。

ξ-⊿-)ξ(ホント、お人好しねー。あそこまで良い娘だと逆にズルイわ)

お風呂には人を落ち着かせる作用が、あるのかもしれない。
その作用のせいか、そんな事を考えられるくらいに落ち着いていた。

ξ゚⊿゚)ξ「よし! ためらってもしょうがないし、しぃとじっくり話そう! 」

ツンはそう決意して浴室を後にした。

333 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:42:12.81 ID:GMYVJWfZ0
一人ツンの部屋に残されたしぃは、ぐるりとツンの部屋を見回す。

いままでにも何度か訪れたツンの部屋。
家具も寝具もパステル調で統一され、それでいて無駄なものは置かずシンプルな部屋。

いつ来ても綺麗に整頓され、清潔感に溢れたこの部屋は、なんとなくツンの性格をそのまま表している。

しぃがそんな事を思いながら見回していると、一箇所だけいつもと違う場所を見つける。

しぃの視線が止まった場所。

ベッドの枕元に置かれた、ハート型でピンク色の目覚し時計。
ツンがお気に入りと言っていた、その目覚まし時計の隣。

いつもは何も無いはずのその場所に置かれた写真立て。

(*゚ー゚)「これは、ツンちゃんとブーンとドックンかな? 」

写真の中には、今より少しだけ幼い顔付きをしたツンとブーンとドクオが写っている。

桜吹雪の中で三人とも、卒業証書らしき丸い筒を持ち校門と思われる場所に立っている所をみると
中学の卒業式に撮られた物だと推測できた。

334 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:44:06.27 ID:GMYVJWfZ0
左側には、ドクオ。
どこか気だるそうにそっぽを向き、右手にはなぜか卒業証書を二つ持っている。

右側には、ツン。
頬を赤らめているが、不機嫌そうな顔をしているのは無理やりブーンに誘われたのだろう。

そして、その二人の間には……。

両隣の幼馴染と手を繋ぎ、いつもと変わらず、明るい笑顔のブーン

(*゚ー゚)「やっぱり、三人は仲がいいんだね……」

その写真を見てしぃは少し疎外感を感じ、ため息を吐く。

ξ゚⊿゚)ξ「ただの腐れ縁よ」

いつの間にかお風呂から上がったツンが後ろに立っていた。

(;゚ー゚)「つ、ツンちゃん! いたの? 」

しぃはまるでイタズラがバレた子供のように驚く。

ξ゚⊿゚)ξ「そんなに驚かなくてもいいでしょ? その写真、もう隠す必要も無いんだから」

(;゚ー゚)「で、でも」

ξ゚⊿゚)ξ「隠す気があるなら、とっくに隠してるわよ」

そういってツンはテーブルの前に腰を下ろすと、ポットから紅茶を注ぐ。

339 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:46:40.96 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚⊿゚)ξ「しぃはミルクに砂糖二杯でいいんだっけ? 」

しぃの答えも聞かずにカップにミルクと砂糖を入れしぃの前に置き、自分の分を一口飲む。

ξ゚⊿゚)ξ「紅茶、冷めちゃうよ? 」

(*゚ー゚)「う、うん。いただきます」

しぃはツンと向かい合って座ると、紅茶に手を伸ばす。

(*゚ー゚)「……おいしい。ツンちゃんの淹れる紅茶って美味しいね」

ξ゚ー゚)ξ「まぁ、趣味だからね」

部屋には紅茶の優しい香りが漂い、穏やかな沈黙が広がった。

(*゚ー゚)(どうやって話を切り出したらいいんだろう)

すっかり和やかな空気が支配する空間でしぃは、話を切り出す機会をうかがう。
この話を切り出したら、空気は悪くなるのは確実だった。
そういう話をしようとしている自分が、もの凄く悪い女なような気がしていた。

しぃがそんな葛藤で何も言えなくなっている時、不意にツンが口を開く。

ξ゚⊿゚)ξ「……その写真ね、ブーンが無理やり私とドクオを引きずって、うちのパパに撮らせた写真なの。
      『別に高校も一緒なんだから撮らなくてもいいじゃん』ってドクオが言っても
      『でも、中学では最後だお!』って言って聞かないし、
      『子供じゃないんだから手を繋ぐのは止めなさい』って私が言っても
      『子供の頃は三人で繋いでたからいいんだお』って言って離さないし」


342 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:48:04.03 ID:GMYVJWfZ0
(*゚ー゚)「……」

しぃはツンの話が何を意味するのか分からず、黙って聞いていた。

ξ゚ー゚)ξ「昔っからそう。ブーンて周りの都合なんかお構いなしでね、場の空気なんか読めなかったの」

しぃがどう返事をしたらいいのか、困惑しているのに構うことなくツンは話を続ける。

ξ゚ー゚)ξ「……だからね、私がいじめにあってる時も、私から離れないでいてくれたの」

(;゚ー゚)「……っ! ツンちゃんいじめにあってたの?!」

ツンの告白にしぃは驚きの声を上げる。

ξ゚ー゚)ξ「うん。中学に上がったばっかりの時にね」

ツンは調子を変えず笑顔を崩すこともなく、なんでもない事のように言葉を続ける。

(;゚ー゚)「……えっと、こんな事聞いていいのか分からないけど、なんで? 」

しぃから見たツンは、美人で明るくて気さくで、およそいじめにあうような娘には見えなかった。

ξ゚⊿゚)ξ「うーん。やっぱり、この性格のせいかな? ほら、私ってキツイし、すぐ手が出るじゃない? 」

ツンは真顔に戻ると少しだけ考えて答える。

ξ゚⊿゚)ξ「それで、あまりにも態度が気に入らない女の子がクラスにいてね。つい、ビンタしちゃったのよ」

あはは、と笑いながらツンは手をヒラヒラさせた。


345 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:50:09.82 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚⊿゚)ξ「小学校が別だったから知らなかったんだけどね、その娘ワガママなお嬢だったらしくてね。
      それが原因で、クラスの女の子全員からハブられてさ。あの時は、さすがに参ったわね」

(;゚ー゚)「それ、笑い事じゃないよ、私だったら登校拒否しちゃうよ」

ξ゚⊿゚)ξ「私だって当時は、落ち込んだわよ。……でもね、私は一人じゃなかったから、平気だった」

(*゚ー゚)「それって……」

ξ゚ー゚)ξ「そっ。ブーンとドクオ」

しぃの回答を察したツンは、ニッコリ笑って先に答える。
その笑顔はまるで、宝物を自慢する子供のような笑顔だった。

ξ゚ー゚)ξ「あの時は、男子も私に対して腫れ物に触るような態度でさ。
      でも、あの二人だけは、私に普通に接してくれたの。
      ……他の男子みたいに距離を置くわけじゃなく、
      かといって変に優しくしてくれるわけでなく、ホントにいつも通り」

ツンは紅茶をスプーンでかき混ぜながら、ゆっくりと、子供に御伽噺を聞かせるかのように話を続ける。

ξ゚ー゚)ξ「ドクオは多分、気付いてたと思うの。ほら、アイツは察しがいいから。
      でも、ブーンはクラスの空気なんかぜんぜん読んで無くてね。
      クラスメイトがさりげなく忠告してもさ
      『おっ? 意味が分からんお』とか言ってんのよ。笑っちゃうでしょ? 」

そこまでは、まるで他人事のように笑顔で話すツンの表情が少し変わる。

その笑顔は友人と話す時の笑顔ではなく、
恋する女の子が愛しい人の事を語る、幸せに満ちた笑顔だった。


348 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:52:09.42 ID:GMYVJWfZ0
ξ゚ー゚)ξ「……その、自然体の優しさがすごく心地よかった。だからぜんぜん辛くなかったの」

(*゚ー゚)「……」

しぃは相槌を打つことも忘れて、話を聞き入ってる。

ξ゚ー゚)ξ「私がいじめられてるのに気付かずにこれだけ優しくしてくれるなら、
      普段からコイツは、こんなに私に優しくしてくれてたんだって気付いたの。
      馬鹿な話だと思うけど、その時初めてブーンの優しさに気付いた。
      そうしたらスゴク心が温かくなったの。
      ……その時かな? ブーンの事ずっと好きだったって気付いたのは」

(*゚ー゚)「……」

ξ゚ー゚)ξ「もうずっと前から、ブーンの裏表の無い優しさが心地よかった。
      それがブーンの事が好きってことなんだって気付いたの。
      ……そう思ったら、何にも辛くなかった。別に女の子の友達なんかいらなかった。
      結局、2年になってクラス替えがあるまでブーンとドクオ以外に友達、出来なかったけどね」

ツンは紅茶を一口のみ、のどを潤すと話を続ける。

ξ゚ー゚)ξ「2年になってそのお嬢様とも違うクラスになったら、
      いじめなんか無くなったんだけど、なんとなく女の子が怖くてね。
      ちょっとした事で友達じゃなくなる人と友達になるくらいなら、
      この二人さえいてくれるだけでいいって思っちゃって。
      ……だから、しぃは私にとって貴重な女友達なの」

(*゚ー゚)「……ツンちゃん」

ξ゚⊿゚)ξ「だから、はっきりさせよ? こんなことでしぃと気まずくなるのやだもん」


352 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:54:32.22 ID:GMYVJWfZ0
ツンは真顔になるとしぃを真正面から見据える。

ξ゚⊿゚)ξ「しぃは、ブーンの事好き? 」

(*゚ー゚)「うん。……私はブーンが大好き。この気持ちはツンちゃんにも負けない」

ξ゚⊿゚)ξ「……そっか」

しぃの真っ直ぐな言葉にツンは納得したように頷く。

ξ゚⊿゚)ξ「……なんか、しぃがうらやましいな」

(*゚ー゚)「なんで? 」

ξ゚ー゚)ξ「私、そんなに素直に言えないもん」

ツンは少しだけ寂しそうな、それでいてどこか晴れ晴れとした笑顔で答える。

(*゚ー゚)「……ツンちゃん、一つだけ聞いてもいい? 」

ξ゚⊿゚)ξ「何? 」

しぃは真顔で、一呼吸おいてから口を開く。


356 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:56:36.82 ID:GMYVJWfZ0
(*゚ー゚)「私、ツンちゃんも大好きだよ。……だから、これからも友達でいてくれる? 」

ξ゚⊿゚)ξ「……しぃってズルイわ」

(;゚ー゚)「えっ?! なんで? 」

ツンの予想外の返事にしぃは戸惑う。

ξ゚ー゚)ξ「ホントいい娘なんだもん。嫌いになれるわけ無いじゃない」

(*゚ー゚)「……ツンちゃん」

ξ゚ー゚)ξ「これからも、よろしくね」

そういって微笑むツンの顔には寂しさが消えていた。

(*;ー;)「……よかった」

そんなツンの言葉にしぃは泣いていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと、しぃ! 何泣いてるのよ」

(*;ー;)「だ、だって、ツンちゃんに嫌われてたらどうしようって思ってたから。
     ……だ、だから、ツンちゃんの言葉が嬉しくて」

しぃは泣きながら笑顔で答える。


359 : ◆DyhKUHe1jM :2007/10/31(水) 10:57:53.35 ID:GMYVJWfZ0
ξ;ー;)ξ「馬鹿ねー。それくらいで泣くんじゃないわよ」

そういっているツンの目にも涙が零れていた。

(*;ー;)「ツンちゃんだって、泣いてるよ? 」

ξ;ー;)ξ「しぃのせいでしょ。……しぃが嬉しいこと言ってくれるから」

(*;ー;)「じゃあ、私と一緒じゃない」

ξ;ー;)ξ「……そうだね」

そういって二人は泣きながら笑いあった。



[ 2007/10/31 16:35 ] VIP | TB(0) | CM(0)



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